家賃滞納への対応その1

入居申し込み時の審査で、家賃の支払能力があるかどうかはきちんとチェックしなければなりませんが、入居者の生活の変化や失業などと理由で、家賃の集金が滞ってしまうことが時々あります。
そういったときの私なりの対処方法を、何回かに分けて報告します。
  (私の場合は、かなり手ぬるいといわれそうですが・・・)
普通、家賃は翌月分を月末までに集金するのが一般的ですが、集金方法は
1.直接集金に行く方法
2.入居者による銀行振り込み
3.集金代行業者による入居者銀行口座からの引き落とし
4.管理業者に集金代行を依頼する
などの方法がありますが、私の場合一部の物件を除いて、主に2と3を利用しています。
集金代行業者は「JACCS」の「CYBER-J-COLLECT」というシステムを使っています。
いずれの方法にしても、滞納をいち早く把握することが一番大事です。JACCSは、引き落としできなかった場合、一度だけ督促状を出してくれますが、銀行振り込みの場合は、遅くとも10日か15日には入金を確認するようにしています。(忙しくて遅れてしまうときがありますが・・・あとあと非常にまずいことになることもあります・・・)
入金がない場合、早めに催告をします。入居者はお客様なので最初はあまり高飛車な態度はとりません。
催告通知の例はこちら(PDF)
催告通知の例はこちら(WORD文書)
大事なのは滞納した家賃の支払期日をきちんと決めておくことです。その上で、期日までに入金がなかった場合は、すぐに次の段階に入ります。


家賃滞納への対応その2

催告通知に記載した期日に入金がなかった場合、ただちに次の手を打ちます。
まずは、入居者本人に直接連絡を取ります。私の場合は、何かの手違いで入金が遅れているのではないかというニュアンスで話を始めます。このときの相手の話し方やそぶりですぐに払えるかどうか判断できることもあります。
その後すぐに入金があればそれでいいですが、長々と言い訳をしたりしてすぐに払えそうもないと判断した場合、また、入居者本人に連絡がつかない場合、保証人に連絡をします。
入居者本人に連絡するのと同時に保証人にも連絡するということでもいいです。保証人にとってみれば何ヶ月も滞納してから連絡がきても困るので早めに連絡してあげます。保証人が親などの場合は、保証人から入金があることもあります。
保証人が支払ってくれない場合でも、保証人から入居者本人に連絡があると、入居者本人にとって保証人に迷惑をかけたくないという思いから、ちょっと無理してでも支払おうとします。
それでも入金がない場合は、保証人にも滞納分の家賃を請求します。入居者本人と保証人に同時に請求することも認められています。
まったく入金がないまま、こういった交渉を続けているとすぐに2~3ヶ月がたってしまいます。
この時点で、滞納分の家賃の内訳がわかる内容の督促状を作り、支払期日までに入金がない場合は契約を解除する旨を記載し、出します。
ここまでくると滞納分を一度に支払うのはおそらく無理です。
なんでも自分で解決しようとせず、あとは弁護士さんにお願いすることになります。
管理戸数が増えてくるといろいろなトラブルなどもあるので、あらかじめなんでも相談できる弁護士さんを決めておくことは必要です。毎月顧問料を支払うようにすると、弁護士さんも親身に相談にのってくれると思います。


家賃滞納への対応その3

もはや自分では解決できないと判断したら、早めに弁護士さんに任せるようにします。
ここまできてしまうと家賃の回収よりも退去してもらうことを優先します。
契約書と滞納状況が分かる資料を作り、弁護士さんに正式に依頼します。この時点で着手金が必要になります。金額は滞納状況や家賃の額によって弁護士さんと相談して支払います。
ここから先は弁護士さん任せになってあまりやることもありません。
入居者と弁護士さんの交渉で、滞納家賃の支払方法の話し合いになります。
支払能力が無ければ、契約の解除と立ち退きの裁判になります。家賃を滞納しているので裁判に負けることはほとんどありません。
ただ、裁判に勝っても入居者はお金が無く引越し費用も無い場合が多いので、この場合、そのまま強制退去の手続きを進めます。(といってもすべて弁護士さんがやってくれます。)
強制退去の日時は入居者に知らされるので、それ以前に転出(夜逃げ)することもあります。
もし強制退去の日まで居座った場合は、ちょっと厄介なことになります。部屋にある家財道具などをすべて差し押さえして運び出し、文字通り強制的に退去させ、鍵を新しいものに取り替えます。
家財道具などを運び出す人件費や一時的に保管する倉庫代・運送費などは、すべて家主負担になるため、夜逃げしてくれたほうが負担は軽くなります。(この金額はかなり高額になります。)
夜逃げの現場を見つけても見ないふりをします。
強制退去の日が近づいたら、注意してみていてもしも夜逃げしたらしいと判断したら、すぐに弁護士さんに連絡し、家財道具の運び出し要員やトラック・倉庫などをキャンセルします。ただし、強制退去そのものはキャンセルせず、きちんと執行官に来てもらい、明け渡しを受けます。
ここまでやって初めて空室になったわけで、早めにリフォームを行い、次の入居者を探します。
最後に弁護士さんに支払いをします。金額は滞納金額などによって違います。
結局、滞納家賃はもらえませんが、判決後10年間は請求する権利は残りますし、保証人に請求することもできます。実際、退去から8年ほどたった頃、保証人が建売住宅を購入したことを弁護士さんが察知して、差し押さえ手続きをして滞納家賃全額を回収したこともありました。
このときは、弁護士さんと顧問契約を結んでいて本当によかったと思いました。